2009年10月10日土曜日

JAPANESE GOLD

またまたこの場をお借りして、
先日のイベントSALON D'I「麻・布・藍」展のご報告をさせていただきます☆

天皇が即位の礼の後,初めて行う大嘗祭という儀式があります。実質的に践祚の儀式で、正式に皇位を受け継がれる非常に大切な儀式です。その際に使われる神御衣(かむみそ)=荒妙(あらたえ)(麻織物)・和妙(にぎたえ)(絹織物)のうち、麻で織られた麁妙(あらたえ)だけは、古代から阿波の木屋平村三木家(阿波忌部の子孫)から運ばれていました。

しかし時代とともに、実際に三木家に伝承されてきた技術は廃れてしまい、全国各地に伝わったその技法を残すに留まりました。今回、その技術を集結させて、かつて日本の政治(まつりごと)が行われた場所で、神御衣を織る”まつりごと”を復活させようと、このイベントを開催する運びとなりました。


おかげさまで連日の大盛況、体験コーナーでは、いろいろな方に貴重な体験を楽しんでいただけたようです。

期間中、お足をお運びいただいた方、ご興味をもっていただけた方、どうも有難うございました!!


群馬県東吾妻町の岩島麻保存会の方による手ひきの麻、 滋賀県近江上布の麻積み(おうみ)から機織まで、 徳島県藍住町の藍染め体験、 奈良県月ヶ瀬の奈良晒し保存協会による麻積み体験、 みなそれぞれにシンプルですが、実際体験してみると、いかに難しい熟練の技術が必要かがわかります。
半世紀にわたり、同じ作業を日々行うことで培われてきた卓越した技術。ものとじっくり対峙することでものを知り、ものを創る。これこそが、現在の日本にとって重要で、かつ誇るべき文化なのかなあ、と痛感いたしました。

現在ではほとんどなくなった手挽きの麻の美しさといったら!!!なめらかにひかえめに輝く上品な黄金の色。群馬県の岩島麻保存会にて手挽きされた麻は、宮内庁と伊勢神宮とに奉納されています。すべて手作業で細やかに織られた反物の繊細な輝き。1年以上かけて織物にするという奈良月ヶ瀬の奈良晒しは、一反一千万円はくだらないそうです。今生天皇が即位される大嘗祭のさいにお召しになった神御衣が、こちらで織られたアラタエです。


















そして今回の演奏は、このイベントを企画され、ジャパニーズ・ブルー・クリエイターでもある三木立氏と、福島昭和村で織物を習得された金子貴子さんとのコラボレーションである藍染めの衣装で演奏させていただきました!

阿波藍の染めは、とっても暖かく心地よくて大地と太陽のパワーに包まれている感じがしました。



写真向かって左が金子貴子さん、右が徳島から来られた三木寛子さん、三木武夫記念館前にて。

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