2009年12月20日日曜日

春日若宮おん祭り

毎年12月15日から18日、春日大社の若宮さまのお祭りが催されます。15日に行われる大宿所祭りの湯立ての行事は見れませんでしたが、16日深夜すなわち17日零時から行われる遷幸の儀、暁際から3日連続でお参りしてきましたのでそのご報告です。

16日の夜、打ち合わせ終了後、このまま向かえばまだ間に合うと、奈良の春日大社に直行、はるか遠くにご本殿で行われる儀式を見守ります。静謐な境内に神官による警蹕と楽が鳴り響く中、暗闇の中に、炎の明るさに包まれて巫女の舞いが浮かびます。闇と光が圧倒的な濃度で交錯しながら反発しあい、とぐろを巻いて渦まいているかのよう。儀式が終了、まず松明と沈香で参道を清めたあと、繰り返す警蹕の中で杉の枝で顔を隠した神官達が、ご神体をお旅所までお運びします。参道脇にたち、ご神体が通られる際には、低頭、2拍手。まるで宇宙光線を浴びたかのような、とてつもないパワーを感じます。
行列はそのまま参道にあるお旅所へ。暁祭が始まりお供えが供えられた後、巫女による神楽がご奉納され深夜2時半に終了。



次の日は、正午から、行宮へ遷られた若宮神のもとへ芸能集団や祭礼に加わる人々が社参するお渡り式、そしてお旅所祭りが行われます。今回はお旅所祭りからの参加です。大寒波の到来、吹きすさぶ風の中で式典は始まります。
大名行列のかけ声が参道にこだましているなかを神職が参進し、左・右の太鼓が鼕々と打ち鳴らされ、奏楽のうちに神様にお供え(神饌)が捧げられる。このお供えは、お米を青黄赤白に染め分けて飾る「染御供(そめごく)」という珍しいものだそうです。 続いて宮司がご幣を捧げ、祝詞を奏上してのち行宮の下に座を進め、神職が退いたあと日使の奉幣・祝詞があり、各種団体の代表、稚児や願主投、大和士などの拝礼がおこなわれます。 このあと午後3時30分頃から神楽に続いて田楽・細男・猿楽(能楽)・舞楽など、午後11時近くまで各種神事芸能が奉納され、その後24時までに、ご神体は若宮ご本殿まで戻られます。

大寒波のため、風が強く雨が降るかと思いきや、田楽の口上が始まったとたんに風が一層強くなり、なんと雪が舞い始め‥!!しかしその後演目が進むにつれ、天気は回復、星空が広がりはじめました。
篝火のもと、厳かに執り行われる芸能の数々‥日本であって日本でないような、不思議な光景が広がります。


そして18日、ご神体のいなくなったお旅所行所の前で、お祭りに関わった人たちへのねぎらいの行事とされる後宴能。今年の演目は、金春流による「生田」、茂山千五郎氏による狂言「呼声」、そして金春欣三氏による「葛城」。葛城山に行脚した出羽の山伏を、葛城の明神が舞いを舞ってもてなすという「葛城」では、本当に明神が降りてこられたかのような静謐な雰囲気に。



そして、神様のお使いである鹿までもが舞台に繰り出す場面もありました☆はるか鹿島から鹿の背に乗ってこられたという春日の神様が、かつらぎの明神をお迎えにあがったのかもしれませんね?!





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