2010年5月14日金曜日

Amazing Grace

暦では立夏を過ぎ、季節ではもう夏だというのに、寒暖激しい毎日が続きます。

あっという間に月日が経ち‥
あれこれブログに書きたいこといっぱいありながらも、慌しく毎日を過ごしてしまい、随分ひさしぶりの日記となってしまいました(>_<)
皆様、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

先週の日曜日は母の日ということで、急遽知人の企画するイベントに友情出演させていただくこととなりました。折角の機会なので、来月大阪のリーガロイヤルホテルで共演いただくギタリストの高井さんとアメイジング・グレイスをコラボレーションさせていただくことに。母の日に集まった色とりどりに着飾ったお母様方を前に、第一回目の演奏をご披露させていただいたのでした。

ちなみに賛美歌で有名なこの曲ですが、作曲者はイギリス人の牧師であるジョン・ニュートン。敬虔なクリスチャンで7歳の時に亡くなった母と商船の指揮官の父のもとに育ち、自身も船乗りとなりしだいに黒人奴隷を輸送するいわゆる「奴隷貿易」に手を染めるようになりました。

当時奴隷として拉致された黒人への扱いは劣悪であり、多くの者が輸送先に到着する前に感染症や脱水症状、栄養失調などの原因で死亡したといわれています。ジョンもまたこのような扱いを拉致してきた黒人に対して当然のように行っていましたが、彼が22歳の時に転機はやってきました。船長として任された船が嵐に遭い、今にも海に呑まれそうな船の中で、彼は必死に神に祈りまいした。敬虔なクリスチャンの母を持ちながら、彼が心の底から神に祈ったのはこの時が初めてだったといいます。すると船は奇跡的に嵐を脱し、難を逃れ、彼はこの日をみずからの第二の誕生日と決めました。その後もジョンは奴隷を運び続けたものの、彼の船に乗った奴隷への待遇は飛躍的に改善されたといいます。
1755年、ジョンは病気を理由に船を降り、勉学を重ねて牧師となり賛美歌を作り続けました。そして17年後の1772年、この「アメイジング・グレイス」は生まれたのです。この曲には、黒人奴隷貿易に関わったことに対する深い悔恨と、それにも関わらず赦しを与えた神の愛に対する深い感謝が込められているといわれています。
「人は生まれ変わることが出来る」

ゆるやかで美しい旋律の中には、すさまじいほどの苦悩と悔恨、そしてそのすべてを包みこみ希望へと導く優しくて大きな慈愛がこめられています。そして、すべての闇を乗り越えた先にある光、それが人間の持つ神性、というものなのでしょうか。。

そんなことを表現できたならと、お母様方のご自慢の歌声のご披露の合間に演奏されたこの<アメイジング・グレイス>、さて、演奏の出来は、いかほどに‥‥?!


Amazing grace how sweet the sound
That saved a wretch like me.
I once was lost but now am found,
Was blind but now I see.

アメージング グレース
何と美しい響きであろうか
私のような者までも救ってくださる
道を踏み外しさまよっていた私を
神は救い上げてくださり
今まで見えなかった神の恵みを
今は見出すことができる

'Twas grace that taught my heart to fear,
And grace my fears relieved,
How precious did that grace appear,
The hour I first believed.

神の恵みこそが 私の恐れる心を諭し
その恐れから私の心を解き放つ
信じる事を始めたその時の
神の恵みのなんと尊いことか

Through many dangers, toils and snares
I have already come.
'Tis grace hath brought me safe thus far,
And grace will lead me home.

これまで数多くの危機や苦しみ誘惑があったが
私を救い導きたもうたのは
他でもない神の恵みであった

The Lord has promised good to me,
His Word my hope secures;
He will my shield and portion be
As long as life endures.

主は私に約束された
主の御言葉は私の望みとなり
主は私の盾となり 私の一部となった
命の続く限り

Yes,when this heart and flesh shall fail,
And mortal life shall cease,
I shall possess within the vail,
A life of joy and peace.

そうだ この心と体が朽ち果て
そして限りある命が止むとき
私はベールに包まれ
喜びと安らぎの命を手に入れるのだ

The earth shall soon dissolve like snow,
The sun forbear to shine;
But God, Who called me here below,
Will be forever mine.

やがて大地が雪のように解け
太陽が輝くのをやめても
私を召された主は
永遠に私のものだ

When we've been there ten thousand years,
Bright shining as the sun,
We've no less days to sing God's praise
Than when we'd first begun.

何万年経とうとも
太陽のように光り輝き
最初に歌い始めたとき以上に
神の恵みを歌い讃え続けることだろう